​回想

❖音声データ　2022/03/17
​　………………(二人分の足音)
　──なあ、聞いてもいい？
　『ん。どうした？』
　──オレ、何もできなかったんだ。オマエを助けたいって思ってこうしてきたのに、力になれなくて、
　　　良かれと思って声をかけたIBすら傷付けて。がむしゃらに走ってたらみんなみんないなくなって
　──オレのやってきたこと、何の意味もなかったのに、オマエは何も思わないのか？
　『んー……。ううん、何の意味もなかったことなんてないよ』
　…………(足音が一つ止まる)
　『SRが手を伸ばしてくれたから、オレがこうして自分自身で考えて行動してるし、IBはきっと声を
　かけなかったら一人で潰れてしまったと思う。全部が全部いいことに向いたわけじゃないけど、何も
　してなかったら何も始まらなかったよ』
　(足音が止まる)
　『全部全部、オマエが手を伸ばしてくれたからここまで来たんだよ』